ASEANに関わる和歌山な人

旧田島うるし工場でトークショーを開催しました。

2022年8月27日、和歌山県海南市にある「旧田島うるし工場」で開催された夜カフェ&トークに編集長の山家が登壇しました。

ASEANに興味がある方に向けて、ミャンマー駐在の経験を中心に、現在のミャンマー事情などをお話しさせていただきました。

そうげん堂さんでワンドリンクを注文すると、トークショーに参加できます。

夜の時間帯だったにも関わらず、10名を超える方に参加していただきました。さらに、会場では、ミャンマー渡航経験がある方は3名もいらっしゃいました。

では、当日の内容を参加できなかった皆様にも、一部を抜粋してご紹介していきます。

1.なぜ、ミャンマーはあまり知られていなかったの?

アジア圏への旅行をしたことがある方でも、ミャンマーは、聞き馴染みがないか、知っていてもあまり詳しく知らないという方も多い国です。

山家

2012年までは、軍事政権だったので、海外の企業を入れない政策だったんですよね。

2013年から外資系の企業が進出し始めたので、一気に成長し始めたという背景があります。

ちなみに、外資系企業がないというのは、例えば、生活面でいうと、スタバ、マクドナルドなどがないということです(笑)

2.ミャンマーでの暮らし

旅行とは違い、駐在という形で、ミャンマーで暮らしていく中で知った、ミャンマー事情を共有。

山家

こちらは、家賃を支払っている写真ですね。

家賃がとても高くて、当時、月々23万円ほどかかっていました。さらに、1年分一気に払うので、こんな状態になっています。

しかも、機械を信用していなくて、何回も手で数えるので、家賃を払うだけで5-6時間かかります……。

中田さん(旧田島うるし工場)

現地のお給料からすると、大家さんって、めっちゃ儲かってるってことですか?

山家

そうですね、当時のミャンマーは、公務員のお給料が、日本円で7000~8000円程度だったので、かなり破格ですね。

山家

あと、家賃に関連して、欧米圏の駐在員と日本の駐在員で大きな違いがありました。

わたしたち日本人は、セキュリティのある程度高い家に住ませてもらって、運転手付きという生活を送っていました。

でも、欧米圏の駐在員は、繁華街の家賃が安いエリアに住んで、シェアハウスなんかもしているんですよね。

総額が例えば、60万円だとして、

欧米:全額給与
日本:給与(30万円)+家賃(20万円)+ドライバー・車代(10万円)
という形で、日本はかなり安全に配慮されているけれど住む場所などが決められていて、欧米圏はかなり自由なイメージでした。ちょっと羨ましかったです(笑)

3.駐在員の仕事について

御坊市に本社を持つ「紀南電設」にて、電気の通っていない村に、太陽光パネルを設置するという目的で、地方の村に行って、パネル設置の仕事をしていました。

山家

当時25歳、5月に転職し、6月に赴任という、ものすごいスピード感でミャンマー駐在が始まりました。

山家

ミャンマーって、雨季は雨がすごくて、家がこんな状態になります。実際、感電死も多くて、電気を簡単に通せない事情もあったんですよね。

そんな村に、電気を通すということをやっていました。

山家

ただ、井戸の事例でかなり失敗してきたんですが、物資を供給しても、壊れてしまって使えないということが、起きていました。

できるだけ、自分たちで調達できる材料、修理できる方法を考えて、設置するという取り組みをしていましたね。

4.ミャンマー人はすぐに寄付をする

ミャンマー人の特徴、ミャンマーで暮らしたことで知った、おもしろいエピソードも飛び交いました。その中でも、ミャンマー人と寄付についての話題が盛り上がりました。

お客さん

幸福感の違いってありますか?

山家

ミャンマー人、めっちゃ寄付するんですよ。所得に対して、かなりの額を寄付します。

でも、「寄付しとけばOK」みたいなところもあって、「昨日飲んで迷惑かけちゃったから寄付でチャラ」みたいなことはよくありますね(笑)

山下さん、どうですか?

この日、たまたま、わっとで取材を受けてくださった山下さんもお客さんとして見にきてくださっていました。(ミャンマー関連のお仕事もされていたことがあるそうです。)

山下千朝さん

幸福感でいうと、宗教が生活に密接に結びついているなという感じはあります。

あと、「寄付する」というか「徳を積む」って感じに近いんじゃないんですかね。多分、その方法で一番手っ取り早いのが寄付をするって感じに近いですね。

山家

たしかに、それで思い出したのは、ドライバーは交通安全のために寄付というかお守りみたいな感じで、毎回お花を買うんですけど、花買ったからOKみたいな感じで、めちゃくちゃスピード出しますね。

徳を積む、寄付をするってことへの全部OK感がすごいです(笑)

5.ミャンマーの現状

暗いニュースが続くミャンマーですが、現在は、比較的日常生活を送れる程度に回復しているそう。ミャンマーの抱える特殊な事情についてお話ししました。

山家

実は、今回、登壇する前にミャンマーに行き、ここで今のミャンマーについてお伝えする予定だったんですが、情勢不安から、今回は渡航を見送りました。

ただ、現在は、ミャンマーの一般市民の方は、日常生活は送れるようになってきているみたいですね。

とはいえ、まだ、公務員、教師、医者といった国に関係する職業の人がストライキを起こしていて長引いているようです。

軍事政権下といっても、外資系企業の誘致をコントロールしたりするということで、以前の軍事政権下でも、普通に生活はできていたので、なんとか旅行に行ける程度には回復するんじゃないかなと思っています。

早くミャンマー旅行に行けるようになるといいなという思いで一杯になりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。リアルな場で、ASEAN好きの方と交流できて、楽しい夜となりました。

今後も、イベントなどがあれば、お知らせしますので、FacebookTwitterなどの各種お知らせをご覧ください。


※尚、講演依頼などは、こちらからお問い合わせください。

投稿者プロフィール

東詩歩
東詩歩
京都府宇治市生まれ、和歌山県紀の川市出身。和歌山大学観光学部在学中。わっと!編集者兼ライター。インターン経験やプロジェクトを経て、学生生活の傍ら、フリーの編集者として活動する。シーシャが好き。積読家。
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東詩歩
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京都府宇治市生まれ、和歌山県紀の川市出身。和歌山大学観光学部在学中。わっと!編集者兼ライター。インターン経験やプロジェクトを経て、学生生活の傍ら、フリーの編集者として活動する。シーシャが好き。積読家。