カンボジア

ASEANに関する和歌山な人:カンボジア 村田七海 さん vol.2

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村田七海

七海さんってこんな人

和歌山県立医科大学医学部在学中。高校卒業後、2025大阪万博誘致やヘルスケア課題解決プログラムの運営を通して、若者から社会に働きかけ次代を創っていく楽しさに目覚める。その後、「若(WAKA)者のアイデアで病(YAMA)いをなくす」をモットーに学生団体WAKA×YAMAを創設。現在は医療ITベンチャーにて、医療の境界をなくすべくマネジメントや企画提案に従事。和歌山と途上国を行き来するヘルスケア・アントレプレナー。

和歌山医科大学医学部生として勉学に励むだけでなく、学生団体の立ち上げや企業でのインターン、ボランティアと奔走する七海さんのカンボジアでの挑戦と、実際に訪れてわかった現場の様子をお届けします。(→vol.1はこちら

vol.2では、実際に現地で感じた心境の変化や、その経験が今どう活きているのかなどを聞いてみました。

“「心」や「人生」を救う医療”

−−実際に現地を訪れてみて、目にしたもの、触れてみたこと、そこから感じたもの、さまざまな感情があったと思うのですが、特に印象に残ったことを教えてください。

吉岡先生が著書でおっしゃっていた”「心」や「人生」を救う医療”という言葉が好きなのですが、本のなかでは、ライフという言葉を「命」から「人生」に置き換えて語られていました。

ただ、命を救うだけでない医療がジャパンハートにはありました。だから、医療従事者、資格のある人以外にも積極的にボランティアに参加してもらえる体制をつくっています。

命を救うだけなら、効率的な治療をした方がいい場面もありますが、わたしが目指したいのは、きっと治療だけでなく、医療の境界を開き、その人の人生そのものを救う医師なのではないだろうかということを考えていました。

不条理な生きづらさをなくしたい

--医学部生というただでさえ多忙ななかでも、こうしたプログラムへの参加や学生団体の立ち上げ、インターンなどに取り組まれていますが、それほどまでにご自身を突き動かすものは何なのでしょうか?

私は、ずっと活動や表現の根底に「不条理な生きづらさをなくしたい」という思いがあります。

例えば、和歌山であれば、都市部と和歌山の山間部では、医療的な格差があるのが現状です。また、それ以外にも、途上国と先進国の環境差など、本人の意思だけではどうすることもできない、社会構造の歪みによって生じる痛みや怒りに向き合っていきたいと思っています。

2018年には、和歌山県における社会課題に対して、若者から地域へ働きかけることで持続可能な課題解決策を生み出し、さらにそのような次世代リーダーを育成する学生団体、WAKA×YAMAを立ち上げました。

国際的な視座を持ちながらも、まずは自分の生まれ育った地域に暮らす人々の生きづらさをなくし幸せにできなければ、世界中に溢れている課題は解決できないと思い、こうした活動を始めました。

現在、Antaaという会社でインターンをしているのですが、その会社は、現場の判断を助ける、医師同士の質問解決プラットフォームを運営しており、どの地域にいても、即日本中の医師に相談することができます。病院に勤務することになった場合にも、即相談できるというのはとてもありがたく、患者さんにとっても、場所を問わず安心して診療を受けることができます。自分が働く時に使いたいと心から思えるサービスに携われていることは、とても嬉しいです。

医師としてジャパンハートに参加したい

--医師になった七海さんが、またジャパンハートに参加される未来が楽しみですね。


たくさん解決したい課題があり、どの科を専門とするのかなど、まだまだ不安なことも多いですが、医師になれた暁には、必ずあの場所に帰りたいと強く思っています。

一人一人を取り巻く環境に、医療的な観点だけでなく、社会の仕組みなどを含めて、どのようなアプローチをすればいいのか真摯に考え続けていきたいです。

■カンボジアでの医療ボランティアのお話から、ご自身の原動力となっている「不条理な生きづらさをなくしたい」という思いまで、どこまでも真っ直ぐに突き進む七海さんのお話を聞くことができました。

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村田七海(1998年7月25日)和歌山県立医科大学医学部在学中。高校卒業後、2025大阪万博誘致やヘルスケア課題解決プログラムの運営を通して、若者から社会に働きかけ次代を創っていく楽しさに目覚める。その後、「若(WAKA)者のアイデアで病(YAMA)いをなくす」をモットーに学生団体WAKA×YAMAを創設。現在は医療ITベンチャーにて、医療の境界をなくすべくマネジメントや企画提案に従事。和歌山と途上国を行き来するヘルスケア・アントレプレナー。

投稿者プロフィール

東詩歩
東詩歩
京都府宇治市生まれ、和歌山県紀の川市出身。和歌山大学観光学部在学中。わっと!編集者兼ライター。インターン経験やプロジェクトを経て、学生生活の傍ら、フリーの編集者として活動する。シーシャが好き。積読家。