丹下櫻子さんってこんな人
山口県出身、和歌山大学観光学部休学中。
高校在学中の留学、NPOでの活動、複数企業でのインターン経験あり。現在は「人を傷つけないやさしい社会へ」をミッションに、ソーシャル分野で活動。
カレーが好き。スパイスから作ります。
「わたしは、何が好きで、何を考えていて、どういうことにおもしろさを感じるのか、一言も話せなかった」と語ってくれたのは、和歌山大学3年生を休学中の丹下櫻子さん。
10代の頃から留学や海外経験を持つ丹下さんですが、初めてのミャンマー滞在を通じて、自分の言葉を紡ぐことを考えたそうです。
英語で人生が変わった、居場所を探していた
和歌山大学生でミャンマーに滞在したことがある学生って、なかなか珍しいなと思い、取材をお願いしました!
はい、大学1年生の時(2019年9月)に、ミッチーナとマンダレーに1ヶ月ほど滞在していました。
フェアトレード商品などを扱う会社の拠点となる施設(https://www.p-alt.co.jp/cwb/)で、インターンのようなことをするために訪れました。
きっかけは、地元である山口県の知人に紹介されたことで、人伝にまわりまわって、気付けば、そんな地域に居ましたね。
1年生で海外にいきなり飛び込めたということは、元々、海外経験はあったんですか?
高校生の時に、トビタテ留学JAPANという制度を使って、ニュージランドに3ヶ月間留学していたことがありました。
その時から、とにかく外に出たい、英語で話したいという気持ちで行動していました。
それはまた、なぜ、海外、英語に行き着いたんですか?
自宅や部活で、あまりうまくいっていない時期が続いていて、とにかくどこかに行けば、自分の居場所が見つかるんじゃないかという思いだけでした。
いつも、なんだかここじゃない感じを抱えていて、部活もやめたけど、それだけだとかっこ悪いし、留学でも行くかと思って飛び立ちましたね。
等身大で自分を語るために
わー、わたしも中高生の頃、似たような感覚を抱いて、とにかく海外に行っていた気がします(笑)
ちなみに、ミャンマーでの滞在を通して、そうした居場所は見つかりましたか?
そこで、気付いたんですけど、どんなに場所を変えようと、言語を変えようと、それが浅はかであると、周りも気付くんですよね。
ずっと他の人に原因があると思っていたけれど、わたし自身が自分を語る言葉を持ち合わせていなかったのだと、異国での交流を通して気付くことになりました。
具体的に、そのエピソードを聞いてもいいですか?
わたしは、常に、誰かに認められたい、すごいと思われたいという基準で行動していました。
こういうことをしたら褒めてもらえそう、こういう発言にしておけば、一目置かれそう、そういう「他者の目」が常に付き纏っていました。
だから、純粋に目の前の誰かとわたし自身が仲良くなる術が分からなくなっていました。
結局は、一言で説明できるラベルよりも、何を考えて、何が好きで、ということが重要だと気付いた経験をしました。
たまに村で話かけられても、日本から来たということ以外話せなかったんですよ。どこかの食堂を訪れた理由も、ガイドブックに載ってたからとしか答えられなかった。
ああ、確かに、特に10代から20代前半って、社会にどう認められるかで、自分の価値が決まるって思ってしまっているかもしれないです。
帰国してからは、そのことに気付いて、少しずつではありますが、自分が勝手に決めつけていた基準を取っ払って考えられるように練習しています。
今、インターンしている会社の代表からも「社会問題においても物事を単純化するのは違う」と教わって、何事も分類した方が分かった気になれるけど、本当の理解からは離れてしまうんだなということを身に染みて感じています。
高校生からの留学、そして、大学入学後に海外でのインターンというアクティブに活躍する丹下さん、その裏側にある葛藤が垣間見られ、とても貴重なお話を聞くことができました。
次回は、現地での様子や実際に行ってみた感想などをお聞きしてみます。
投稿者プロフィール
- 京都府宇治市生まれ、和歌山県紀の川市出身。和歌山大学観光学部在学中。わっと!編集者兼ライター。インターン経験やプロジェクトを経て、学生生活の傍ら、フリーの編集者として活動する。シーシャが好き。積読家。
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