日本語学校ってどんなところですか？： 和歌山外国語専門学校 坂本太さん vol.2

和歌山に在住しながらも、意外と知らない外語専門学校の様子を坂本太さん（和歌山外語専門学校・理事長代理）に聞いてみました。

前回は、和歌山外語専門学校の歴史や地域との関わりについておうかがいしましたが（vol.1）、今回は、実際に学校に通う学生さんはどういう方たちなのかをお聞きしてみたいと思います。

語学の指導だけではない、人生の伴走者となるために

－－改めまして、よろしくお願いします。和歌山外語専門学校には、アジアからの留学生が多いようですが、どういう方が多いのですか？
まず、本校は、約７割の学生が中国からの留学生です。その他が、ベトナム、インドネシア、フィリピン、インドといった国から留学してきます。

まず、中国の受験・就職事情は、厳しく、大卒では就ける仕事が限られているので、一定の職を求める人たちは、大学院を目指します。しかしながら、大学院に行こうと思っても枠が少ないから行けないという人で溢れています。

また、そもそも大学にも進学できない高卒の子たちは、専門学校に行くことが多いのですが、職を求め、一念発起して学士を取得するために留学してくる学生も多いです。和歌山外語専門学校にも、そうした学生も多く、新たな挑戦のサポートをしているという形です。

－－想像以上に、壮絶な学歴社会なんですね。

中学から高校に上がる時点で、成績がいい子は進学校、それ以外は職業高校に進学することになります。15歳くらいの時点で人生が決まってしまうといっても過言ではないんですね。

そうした形で、残念ながら職業高校に進学せざるを得なかった学生が、学士を取りたいという気持ちになった時に、機会を提供できるように本校がサポートすることもあります。

夢を応援するためにできること

－－なかなか各国大変な進学、キャリア事情ですが、日本に来てからは、それなりにいい生活ができたり、就職先が見つかったりするものなのでしょうか？
それも、人によりますが、技能実習生として日本に来た方々の一部は、大変な思いをしているということも耳にします。

ニュースなどで、たまに聞いたことがあるかもしれませんが、「技能実習生」や「特定技能」「高度人材」という言葉はわかりますか？

－－いえ、聞いたことはあるんですが、はっきりとした違いはわからないですね。どういった違いがあるんですか？
簡潔に説明すると、

・技能実習生：あくまでも実習生（日本で勉強をして自国に持ち帰るという技術移転であり、単重労働者ではない）
・特定技能：単純労働者
・高度人材：ホワイトカラーや高度なことができる人材

という風に求められていることも違えば、雇用形態や管理団体も異なります。

しかしながら、受け入れる側の企業が、あまり違いを理解できておらず、技能実習として日本に来た方が、単純労働で過労に追いやられてしまい、本来の目的である技術移転がままならないような事例も多く起きています。

そうした違いがあることを、地域の企業の方には、知っていただき、若者を支えるようなことができればなと留学生を受け入れる身として、考えています。

高校をつくりたい

－－若者の支援、人生に伴走する、そうしたお話を聞いてきましたが、坂本さんご自身の夢や挑戦したいことはありますか？
はい、高校をつくりたいんですよね。フィリピンに、出張でよく行くのですが、彼らの英語力は抜群。高校生には、フィリピンの大学（職業系）に行ってもらい、技術習得と英語を学ぶ機会を提供したいと考えています。

そうすることで、活きた英語が話せる国際的な人材が和歌山からも輩出できるのではないかと構想しています。

－－今後、ますます広がりがありそうで、とても楽しみです！本日は、ありがとうございました！

■和歌山にも、こんなに様々なバックグラウンドを抱えた留学生がいるのだなと知ることができ、彼らが和歌山の地に、どんな想いを抱いてやってきたのか、わっとでも取材を重ねてみたいと感じました。