ベトナム

ASEANに関する和歌山な人:ミャンマー / ベトナム 東 詩歩 さん vol.2

東 詩歩

詩歩さんってこんな人

中学校時代には、韓国・チェジュ島へ、そして那賀高校在学時には、ブルネイへと自治体が主催するプログラムに参加。その後和歌山大学観光学部に進学。スリランカ、ベトナム、ミャンマーなどの途上国を旅し、「途上国からブランドを作る世界に通用するブランドをつくる」を理念とするマザーハウスのインターンシップに参加。現在は和歌山大学に復学し、学業やその他企業での業務をしながら、合同会社gin’enを設立準備中。

生き方を考え始めた大学生活

ーー引き続きよろしくお願いいたします。どのような大学生活を過ごしていますか?

大学に進学してからは、「どう生きようか」ということについて考えながら生活をするようになりました。学業はもちろん大事ですが、今後どのような人生を歩んでいくのか、またこれまでの経験から海外で活躍したいと思っていたこともあり、そのような方面で何かチャレンジしたいなという意識が芽生え始めました。
そんな中、父が本を買ってくれたことをきっかけに、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を持つマザーハウスという会社に興味を持ちました。

マザーハウスはバングラディッシュでのバッグ作りから事業を始め、現在スリランカ、ネパール、インドネシア、ミャンマーなどでプロダクトを作り、日本だけでなく世界で商品を展開している企業です。

そのマザーハウスにインターンシップ制度があることを知り、応募をしてみることにしました!そして、その後の働き方などを意識しながら、もっといろいろな国を見てみようと思い、ミャンマーとベトナムに旅をすることにしました。

ーー学生時代から仕事を含めて人生の歩み方について考えながら動くって素晴らしいですね!ミャンマー・ベトナムではどのような旅になりましたか?

まずは訪れたことのない国のなかで、知り合いのいる国に行こうと考えました。vol.1 で紹介した「アジア・オセアニア高校生フォーラム」でミャンマー人とベトナム人の子たちと友達になっていました。

その後も連絡を取り合っていたので、まずは彼女たちに会いに行こうと思ったんですよね!

また知人からの紹介で、ミャンマーにいる日本人の若手起業家の方や、大手企業の駐在員をされている方にお会いさせていただきました。実際に世界で活躍する方のお話をじっくりと聞くことができ、本当に貴重な経験をさせていただいたと思っています。

--実際に世界で活躍する日本人に会ってみてどう感じましたか?

海外で働くには駐在員という方法と自分でビジネスを作るという方法があるということを教えていただきました。でも駐在員にはなりたくても絶対になれるわけではないですし、運も大事なので、自分で海外においてビジネスを作ってみたいと思えました。実際に事業をされている方とも会ったのですが、海外で起業するといっても、そんなに大規模なビジネスをされている方ばかりではなく、自分にもできるかもと思えました。「海外で働く・事業をつくる」ということが全然別の世界の話ではなく、頑張れば自分にもできるかもと、少し手の届く存在になったように思います。

無事マザーハウスのインターンに合格!東京へ!

--マザーハウスに採用され、インターンシップで東京へ。マザーハウス時代のことを教えてください!

インターンをするまでは、マザーハウスの外側からのキラキラとしたイメージや憧れだけしかなかったので、いざ働いてみると決してユートピアではなかったと感じています。

外から見るているだけだと世界を変える・海外と連携して働けるかっこいい会社というキラキラしたイメージが強かったのですが、一つわかったことは、町工場で働こうが、コンビニで働こうが、ただ目の前の日々仕事、目の前にある現実を着実に進めることが大切であるということに気付きました。

企画職にも携わったのですが、イメージしていたキラキラしている世界だけではなく、想像以上に大変で、それでも来る日も来る日も頭と手を動かさないといけません。表側だけでは絶対に見えてこなかった、成功の裏側をインターンという短い間だけでも経験し、体感させていただけたことが大きな財産だと感じています。

--マザーハウスを通じて、どのような社会人になりたいと思いましたか?

バングラディッシュをはじめとする東南アジアの国々でモノづくりをするマザーハウスに憧れていたのだと思っていたのですが、今思うと、代表の山口さんや会社自体の有り様に憧れていただけなのかもしれません。もちろん途上国や海外で働くということに興味はありましたが。どの国やどのような分野で働くにしても、コミュニケーションをとって、交渉をして、自分がどうしたいかを主張する、そうした当たり前のことが大切なのだと学びました。

そうするなかで、海外に挑戦するという軸とは別に、和歌山出身の私には、地方で生業をつくりだしたいという気持ちもありました。現在は地方の産業や伝統的なものをより魅力的に伝えることをお手伝いさせていただいており、足を運び、コミュニケーションをして、背景まで理解したうえで伝える、という、インターンを通じて学んだことを少しずつ事業として形にしつつあります。

和歌山に戻り、学業の傍ら独立。春には会社を設立予定。

--その中で写真を通じて自ら仕事をしていますよね。また春には会社を設立予定だとか。

gin-en

そうなんです。写真に関しては先ほどの地方で生業づくりをしたいというところに繋がります。写真撮影やウェブサイト制作などがメインの会社なのですが、ただ作るだけではなくて、どうやって売っていくのか、または表現していくのかということをヒアリングしながら寄り添って提案し、制作をしています。現在、すでに伝統工芸の会社や藍染めの会社、その他和歌山県内の工場などの撮影やwebサイト制作のお仕事をいただいており、写真や文章を通じて、産地の工房や企業の持つプロダクトの新しい魅せ方を提案しています。会社は2021年の春に登記予定です。

--ますます活躍する詩歩さんに目が離せませんね!最後に後輩や、読者の方に一言メッセージをお願いします。

私は本当に周りの方々に恵まれて様々な活動や、行動ができたと思います。何かに挑戦して飛び込むことはリスクもありますが、だれかに頼ったことが功を奏したのではないかと考えています。もちろん運が悪ければ騙される場合もありますし、危険な人もいるのでそのあたりは判断も大事かと思いますが、間違いなく一人で行動していては経験できなかったことが実現できたことは事実です。

情報収集をして考えるだけじゃなくて、最後は「えいや!」という行動は大事です。まさにマザーハウス代表の山口さんの言葉「keep walking」のように迷っても迷っても、迷いながら歩き続けるしかないので、現在も私の行動の基盤になっていますね!

--素晴らしい行動力と周りからの愛され力も詩歩さんの大きな強みですね!本日は本当にありがとうございました!

東 詩歩(1997年5月26日生まれ)
中学校時代には、韓国・チェジュ島へ、そして那賀高校在学時には、ブルネイへと自治体が主催するプログラムに参加。その後和歌山大学観光学部に進学。スリランカ、ベトナム、ミャンマーなどの途上国を旅し、「途上国からブランドを作る世界に通用するブランドをつくる」を理念とするマザーハウスのインターンシップに参加。現在は和歌山大学に復学し、学業やその他企業での業務をしながら、合同会社gin’enを設立。

和歌山県紀の川市出身

投稿者プロフィール

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山家 優一
和歌山ASEAN情報局 -わっと!- 編集長
和歌山県海南市出身。ミャンマー・ヤンゴンに駐在歴あり。
和歌山の人にもっとASEANを、ASEANの人にもっと和歌山を身近にするための情報サイトを作りたいと、この「わっと!」を立ち上げる。
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山家 優一
和歌山ASEAN情報局 -わっと!- 編集長 和歌山県海南市出身。ミャンマー・ヤンゴンに駐在歴あり。 和歌山の人にもっとASEANを、ASEANの人にもっと和歌山を身近にするための情報サイトを作りたいと、この「わっと!」を立ち上げる。