山浦 理恵さんってこんな人
和歌山市出身
地元の高校を経て、兵庫県の大学に進学。
卒業後、管理栄養士として病院で4年半勤務。
その後JICA青年海外協力隊に応募し、インドネシア国 南スラウェシ州ボネ県において管理栄養士として活動。
帰国後、結婚、子育てをしながら、現在は生(いのち)や性教育についてのお話会・体験会を行う、【SAYHELLO. WAKAYAMA】を立ち上げ、活動中。
今回もvol.1に引き続き山浦理恵さんの記事です。
vol.1では協力隊になったきっかけから、一年目に感じた葛藤などについてお話を伺いました!
vol.2では協力隊での二年目の活動と協力隊を通じて感じて想いについて伺っています。また現在和歌山でされている活動についても教えてもらいました!
二年目。現地の状況を把握し具体的な提案へ。
ライター・山家
一年目で関係構築・周りへの順応をされたということですが、それらを活かしていよいよ二年目の活動に入っていきます。
二年目に行った活動について教えてください!
二年目は、比較的落ち着いて周りが見えてきたことや、一年目に現地の状況をしっかりと観察していたので、実際何が求められ、何か必要で、その中で、私ができることは何か?ということを考え、行動していきました。
特に気を付けたことは、私自身は二年の任期で現地を離れるので、周りを巻き込みながら私がいなくてもできる仕組みづくりを意識して活動をしました。
ライター・山家
具体的にはどのようなことを教える必要があると感じましたか?
揚げ物や砂糖分が多い食文化ですので、気にせず食べていたら栄養が偏ってしまうので、まずは栄養について学んでもらうということをしました。
日本だと一般的にも三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)などについて理解されていますが、そもそも現地で主に食事を作るお母さんたち自身、栄養についての知識が乏しかったり、関心がなかったり、間違った知識を持っている人もいました。
ライター・山家
そうなんですね!日本だと当たり前のように少し気をつけながら食事を取りますが、現地では当たり前ではないんですね。
他に栄養について学んでもらう上で気をつけたことや提案をしたことはありますか?
その国に長く住んでみて、初めて分かることですが、「食は、その国の文化」だということ。 例えば、日本人の私が、インドネシアの食生活をみて、「ここが良くない、もっとこうしたらいいのに。日本だと、こうするのに。」ということがあっても、現地でやっている調理法や味付けなどは、その風土や気候、文化や宗教など、様々な要因があって、そういう風にされていることである、ということ。 一概に、「健康に良くないからダメ!」とか「こうしないといけないよ!」など、否定したり、押し付けたりするのではなく、その国の大切にしていることを重んじながら、「こうしたらどう?」「こんな風にすると、もっと良くなるよ!」とアドバイスや提案をしてみる。 現地の文化を理解しながら少しでも栄養学を取り入れた彩り豊かな美味しそうなメニューを提案し、そういう概念もあるんだなと少し風を吹かせる程度でも良いと感じ行動をしました。
例えば、現地では、「おかゆ」というと、お米だけを柔らかく炊いたものが多いですが、それに、野菜や卵などを足して、栄養バランスもよく、彩りも豊かになるように提案したりしました。
また大人の人はすでに食生活が習慣化しているので、子ども向けに食育をすることが大事だと感じました。
小学生にも大人気で、日本のチキンラーメンのような「インドミー」という即席麺をおやつや夜食に食べる人が多いのですが、競争することが大好きな国民性なので、野菜などをトッピングして作るオリジナルインドミー対抗戦を現地の小学校で行いました。
楽しみながら、遊びながら、自然に栄養知識をつけることをポイントにしました!
ライター・山家
ありがとうございます!オリジナルインドミー対決は子どもたちも楽しみながら栄養について学べて非常に良いですね♪
活動を通じて学びや感じたこと、たくさんあると思いますが教えてください!
「焦らず、慌てず、諦めず」
これはもし今後協力隊に参加しようとしている方はぜひ意識してほしいです。
私自身そうだったのですが、一年目は、まだ、言葉もままならず、うまくコミュニケーションが取れなかったり、自分の活動が理解してもらえなかったり、人間関係がうまいかず、空回りしていました。 結果が、なかなか出ないので、焦ったりしていました。
青年海外協力隊は、活動2年間で長期戦ですので、一年目は現地の状況をじっくりと見てコミュニケーションを取ることに努め、焦らず、慌てず、諦めずが大事だと思います。
また、その国に土足では入ってはいけないなと感じました。
赴任当初、「こんなん食べるから太るんでしょー」なんて上から目線で考えてしまったり、相手の価値観に対して偏見というものを持ってしまっていたとします。一年目はそういうこともあって、あまりコミュニケーションがうまく取れていなかったんだと思います。
現地に溶け込んで、現地の文化に触れ、その国を理解しようとする。そうしているうちに隔たりが解けてきて、現地の方々を理解するようになり、また向こうも私のことを理解してくれるようになったんじゃないかと思いました。これは本当に一年ほどかかりましたね。
ライター・山家
ありがとうございます!活動を通じて読者の皆さまにメッセージをお願いします!
ぜひ【3つのC】について意識して生活をしてほしいと思います。3つのCは、Chance(チャンス)があるときに、Challenge(チャレンジ)して、Change(チェンジ)するということです。
私自身、協力隊を通じて、旅行ではなく、2年間、インドネシアに住むことで、今までの常識や価値観が大きく変わりました。 外に出て、改めて、日本の良さや悪さを俯瞰できたり、インドネシアの良さや悪さを感じたり。 いろんな人に出会うことで、学ぶことも多かったですし、自分自身も成長できました。 そして、改めて感じたのは、「日本は、いろいろなチャンスに恵まれている」ということ。 日々暮らしていると、様々なことがありますが、日本では、やろうと思えば、やれる環境にあります。 なので、ぜひ、「やってみたい!」と思うことがあれば、一歩勇気を出してチャレンジして、現状を変えてみてください!
ライター・山家
まさに【3つのC】を体現され、今の山浦さんがいらっしゃるわけですもんね!良い言葉ですね、ありがとうございます!
最後に山浦さんの現在行っている活動についても教えてください!
現在は、和歌山県内で子育てをしながら、子どもたちとその保護者対象に生(いのち)や性教育についてのお話会・体験会を行う、【SAYHELLO. WAKAYAMA】 という団体を立ち上げました。
facebookページなどでイベント告知や活動内容を記載していますので、ぜひご覧ください!
ライター・山家
山浦さんもそうですが、青年海外協力隊に参加された方は皆、支援をするために赴任したつもりが、自分がより多くのことを学んで帰ってきたと言われます。
今回お話しいただいた3つのCにあるように、本当に行動し挑戦される方々は素晴らしいなと改めて感じさせていただけた時間でした。
本日はありがとうございました!
投稿者プロフィール
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和歌山ASEAN情報局 -わっと!- 編集長
和歌山県海南市出身。ミャンマー・ヤンゴンに駐在歴あり。
和歌山の人にもっとASEANを、ASEANの人にもっと和歌山を身近にするための情報サイトを作りたいと、この「わっと!」を立ち上げる。
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