インドネシア

ASEANに関する和歌山な人:和歌山大学 国際連携部門 藤山一郎先生 vol.2

藤山一郎 さん

藤山一郎(ふじやま いちろう)さんってこんな人

京都市出身。

立命館大学卒業後、修士・博士課程に進まれインドネシアにおける開発問題などについて研究。

卒業後外務省の専門調査員制度にて、1997年より 在インドネシア日本国大使館にて勤務。

その後立命館大学に戻り、国際センターでの職員・教員勤務を経て、現在の和歌山大学国際連携部門へ。

専門領域は、タイ・インドネシアを対象とする開発教育、ボランティアツーリズム(VT)。

vol.1では藤山さんの学生時代から現在の道に進まれた経緯について、また大学生の国際協力活動に関わった経緯をお話しいただきました→vol.1はこちら

vol.2では、そんなVTの活動を大きく阻害する新型コロナウィルス化での状況についてお伺いしています。

タイプログラム、そしてWAPの立ち上げ


ライター・山家

立命館大学でされていた活動が和歌山大学に入られてからのWAPでの活動などに繋がっていくのですね。

藤山先生

そうですね。当時の学長から異文化環境の中でも活躍できる学生を増やしたいというミッションをいただきました。
その際に一年生という早い時期に、タイで数週間の滞在経験をするプログラムを立ち上げました。
そして、経験で終わるだけでなく、帰国後も継続的に国際協力の活動ができる受け皿として和歌山ASEANプロジェクト-WAP-を立ち上げたんです。


ライター・山家

なるほど!そういう流れでWAPが立ち上がったのですね。

前回代表の中橋さんにもお伺いしましたが、現在猛威を振るう新型コロナウィルス。影響は決して小さくないですよね?

藤山先生

WAP含め、私の研究テーマであるVT(※ボランティアツーリズムの略:以下VT)はこれまでオフラインでの現地での研修で得た経験、活動を重視していましたので、それはそれは大変です(汗)

タイプログラムや WAP での活動では、現地への引率・同行を行い、学生たちの成長機会を作るということが主な活動でしたので、それができないのは辛いですね。

コロナ禍での国際協力活動


ライター・山家

確かにそうですね….。コロナ禍では活動は自粛をせざると得ないということでしょうか?

藤山先生

逆にこうした時代だからこそできるオンラインを使った仕組みも構築しています。

COIL型授業(COIL: “Collaborative Online International Learning”)という形式で、現在講義ではインドネシアのビヌス大学と連携して授業を展開しています。


ライター・山家

なるほど。オンラインを使って具体的にはどのような授業を行っているのですか?

藤山先生

SDGs をテーマに両大学の学生同士でグループを組んでもらい、共通の課題に向かって議論したり発表したりしています。今後は、オンライン・フィールドワークという形式も取り入れ、例えば、現地の様子を動画で観た、聞き取りをおこない、新型コロナウィルスで打撃を受けたインドネシアの観光村の課題について議論・提案をおこなう授業も考えています。

やっぱり早く現地に行きたい


ライター・山家

なるほど!企業などでも国内出張や海外出張の機会が減り、Zoomなどオンラインミーティングやオンライン商談会が主流となりましたが、まさに大学の授業でもそのような形になっているのですね!

本日は本当にお忙しい中、ありがとうございました!最後に一言お願いします!

藤山先生

とりあえず、早くコロナが終息してほしいです。単純に海外に出たい!!(笑)

去年3月にインドネシアに引率したのが最後で、かれこれ一年以上経ちますね。

コロナウィルスのことを考えるとネガティブなことばかり考えてしまうのですが、とは言え、前述のようにオンラインを活用した広がりも増えていることは事実です。

これまで海外に行くことはハードルが高いと思っていた学生も、この講義なら参加しやすいと参加してくれていますし、逆にここでつながったきっかけを通じて、実際に現地に行きたくなるかもしれません。

またオンラインでのやり取りが当たり前になれば、今後さらに自動翻訳が発達すると語学のハードルすら低くなり、より多くの学生が国際協力や交流に触れ学ぶことのできる機会は増えるでしょう。

藤山先生

でもだからこそオフラインの重要性はさらに増すのだろうとも思えます。やはり現地で生に感じる交流がなくては学びとしては弱い。

交流し、文化に触れ、学び感じる、そういう機会作りは今後も変わらず続けていきたいと再認識させられました。

一日でも早く現地で学生たちとワイワイ学べる機会が戻ってくることを願っています。

インドネシアでの開発教育に関する研究から始まり、国際協力を機会とし、多くの学生に学びと経験の機会を作り続けている藤山先生。タイプログラムやWAPから飛び立った和歌山大学卒業生たちには、ASEAN地域に関係する企業で活躍する方や起業をし活躍している方など多数おられます。

これからも国際協力・VTを通じ、様々な学生に刺激と学習の機会を作っていただき、新型コロナウィルスに負けじと頑張ってください!!

投稿者プロフィール

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山家 優一
和歌山ASEAN情報局 -わっと!- 編集長
和歌山県海南市出身。ミャンマー・ヤンゴンに駐在歴あり。
和歌山の人にもっとASEANを、ASEANの人にもっと和歌山を身近にするための情報サイトを作りたいと、この「わっと!」を立ち上げる。
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山家 優一
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