小川 武毅さんってこんな人
1974年生まれ、和歌山市出身。
小川農園を運営、和歌山の特産品である新生姜を主に栽培している農家さん。
新生姜のオフシーズンにタイへの旅行にハマり延べ20回以上も訪泰。
現在はタイで見つけたタイ野菜、パクチー・ハーブ類、またフレンチなどで使われる西洋野菜にも着手。全国各地のフランス料理店からオーダーをいただいている。学生時代にはアメリカ留学も経験。
今回、和歌山市で農園を営む小川農園の小川武毅さんにインタビュー!
和歌山の特産品である新生姜をメインで生産しながら、西洋料理店向けに日本では珍しい西洋野菜やハーブなどの多品種栽培を行っています。
そのきっかけとなった理由の一つに海外旅行があり、特にASEANの一国であるタイだったそうです。
今回は小川さんに、タイでのお話についてのお話、そしてどのような経緯でそれらの品種にも着手をするようになったのかを伺ってみました!
和歌山の特産品、新生姜を栽培する小川農園さん
--それではよろしくお願いします!まずは自己紹介をお願いします。
よろしくお願いします!和歌山の特産品である新生姜を主に生産する小川農園を営んでいます、小川 武毅(おがわ たけき)です。
現在は西洋料理店からの依頼もあり、日本では珍しいフランス料理によく使う野菜や、唐辛子、パクチー、バジルなどのタイ野菜含め、様々な多品種栽培を行っています。
--早速ですが…..ASEANとの出会いを教えてください。
学生時代はアメリカに留学していたこともあり、海外旅行といえばもっぱらアメリカでした。
仕事が生姜農家ということもあり、冬に植えて夏に出荷をするサイクルで、冬の1-2月頃に植え終わると、そこからしばらくオフシーズンに入ります。
元々アジアにはそんなに興味がなかったのですが、時期的にも寒い日本で過ごすのではなく、どこか暖かいところに行きたいな、そんな理由でタイに行くことに決めました。
--初めてタイに行った時の印象を教えてください。
先ほどお話ししたように、これまで海外旅行といえばアメリカでした。学生時代に住んでいたこともあり、風土に慣れていることや、また日本と同じ先進国ですので、チェーン店や街の綺麗さなど、そんなに大きな変化は感じませんでした。
でもタイは全く異なりました。
見るもの、出会うもの全てが衝撃的で、これはもっと旅をしたいと率直に思いましたね。
また料理が特にカルチャーショックでした。日本やアメリカの食べ物だと、どういう野菜や香辛料が入っているのかだいたいわかるのですが、タイでご飯を食べるたびに、一体何を使っているのか?とどんどん興味が湧いてきました。
人生を変えるバンガロー
--そこから毎年タイに行かれてますが、観光地などを周ったりするのですか?
観光地などにもたまに行きますが、基本は同じ場所や、知り合いの場所で生活をするといった形が多かったです。
特に、とあるバンガローとの出会いは印象的でした。
初めてタイを旅をしたのは【Intrepid イントレピッド】という現地集合・現地解散型のツアーで、2週間ほどタイのあらゆる地域を回ったのですが、その時にムック島という島にも行ったんです。
そこで滞在をしたバンガローが、そこからタイにハマった一つの大きなきっかけです。
そのバンガローは rubber tree boungalow と言う名前で、とても居心地がよく、オーナーとも仲良くなった私は、また訪れたいと強く感じ、「また来るから、次来たら雇ってよ」とノリで口約束をしました!(笑)
それが翌年以降実現をし、そこから数年間毎年のように、rubber tree boungalowで働きながら現地で暮らすということをしていました。
住み込みで働きますので、飲食代や滞在費用も必要なく、無料で食べ飲みさせていただきながら、世界各国の旅行者や現地の従業員たちと触れ合いました。
長いときは2ヶ月、3ヶ月ほど働いてましたね!
--めちゃくちゃ面白い経験をしていますね!!そこでの経験が現在の多品種栽培などに繋がるのですか?
そうですね。元々タイの食材を見に行くためにいったわけではないのですが、毎年のように滞在しているうちにパクチーなどタイ野菜とか日本でもやろうと考え始めました。
当時日本でもなかなか手に入らなかったので、育ててみようと考え始めたことが、現在の多品種栽培を始めるきっかけとなりました。
--現在全国の西洋料理店(主にフレンチ)からお声がかかると伺いました。
パクチーやハーブ類、タイ野菜などを始める中で、珍しいものを作っている全国でも珍しい農家として知っていただいたようです。
意外と業界は狭いので、口コミだけでなく料理人さん同士の紹介などで全国様々なフランス料理店さまからお声がけいただけています。
これもタイに行って、様々なものを育ててみようと思えたことが大きな転機でしたね!
タイの魅力
--タイでの生活や旅行で特に感じる魅力などはありますか?
最近は物価が上がってきましたが、それでもまだまだ日本に比べて食べるものなどが安いということは大きいです。
道端にある屋台でも調理は炭火、焼き鳥や麺料理、パパイヤサラダや蒸し餅米など思い出深いですね!
タイではそもそも自宅でご飯を作る文化がなく、キッチンそのものがないおうちも多いです。
そのため比較的安価な値段でどこでもおいしい屋台料理店があるんですよね!
またビールが美味しいです!
味そのものも美味しいということはもちろんですが、あの気候・気温で飲むビールの相性が格別なんだと思います。
--タイに来て変化したことや発見したことなどありますか?
食べ物の向き合い方は大きく変わりました。特にお肉です。普段日本では、食材としてのお肉としてスーパーなどで購入したり、レストランなどで調理をした状態で目にします。しかし、タイでは生きた鳥をその場でシメ、その場で捌き、それを調理に使う場面に出くわす機会があります。
日本でその光景を見ることはないですし、当たり前なのですが、こうやって食材として提供されているのだな、当たり前が当たり前じゃないんだな、ということを強く実感させられた出来事でした。
また、活気があることも一つ挙げられます。
都市化しているというだけでなく、人々が暖かく、日常の営み、生きている感というか、ひと昔前の日本が持っていた空気感というのでしょうか。
タイに来たら僕はそれらを強く感じることができるんですよね。
--タイでの野菜事情はいかがでしたか?
前述の通り、日本でもタイ野菜を育てており、パクチーハーブなども育てていますし、タイ現地での野菜事情にも強い興味を持っています。その中で大きな疑問があります。
食べ物そのものが安いからという理由もあるのかと思いますが、野菜の値段もとても安く、農家さんがどうやって生活しているのか不思議なレベルの値段でした。
その辺り正直詳しく伺えていないので、もっと知りたいと思いますが、いくら生活費が安いとは言え、想像を超える値段であったと記憶しています。
--最後に読者の方にメッセージをお願いします。
タイについて、というわけではないのですが、これから就農しようとしている若い世代の方に届けば、と思うことがあります。
僕のようにハーブや、西洋野菜などオシャレな野菜を育てて生計を建てたいと独立就農される方からの相談や事例を伺うのですが、やはり売り先を見つけることが難しく続けることが大変です。
うちであれば【新生姜】のように、収入の柱となる基盤をしっかりと作ってから、余った力や土地で少量多品種な上記商品などにも広げていって欲しいと思います。
オシャレと思って始めることはいいのですが、なかなか難しくうまくいかないケースも伺っています。是非とも若い世代にはその辺りのことも注意しながら、業界を盛り上げていって欲しいと思います!
--今回は本当にありがとうござました!小川農園にはかれこれ10年以上前から伺っている著者。広大なハウスには新生姜はもちろん、今回のお話で出た珍しい西洋野菜やパクチーなどが植っています。ちょうど取材日にも房フレンチレストランのシェフが直接買い付けに来ていました。小川さんの人柄、そして野菜の品質と珍しさで全国から人が惹きつけられているのかと思います。
小川 武毅さんってこんな人
1974年生まれ、和歌山市出身。
小川農園を運営、和歌山の特産品である新生姜を主に栽培している農家さん。
新生姜のオフシーズンにタイへの旅行にハマり延べ20回以上も訪泰。
現在はタイで見つけたタイ野菜、パクチー・ハーブ類、またフレンチなどで使われる西洋野菜にも着手。全国各地のフランス料理店からオーダーをいただいている。学生時代にはアメリカ留学も経験。
投稿者プロフィール
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和歌山ASEAN情報局 -わっと!- 編集長
和歌山県海南市出身。ミャンマー・ヤンゴンに駐在歴あり。
和歌山の人にもっとASEANを、ASEANの人にもっと和歌山を身近にするための情報サイトを作りたいと、この「わっと!」を立ち上げる。
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